ほとんど想像すらされない奇妙な生き物たちの記録

内容・概要

アホロートル、クマムシ、イエティクラブ、モロクトカゲ…
空想上の動物と同じくらい風変わりで
不思議な生物たちのおりなす、21世紀の幻獣辞典。

世界は、私たちの想像の及びもつかない生き物で満ちている。

古今東西の架空の獣を集めたアルゼンチンの作家ボルヘスの『幻獣辞典』に
触発され、著者はこの世に実在する風変わりな生物の蒐集に乗り出す。
炎の中に棲(す)むといわれるサラマンダーの伝説から
スペインによるメキシコ征服の歴史を振り返り、
ウツボと映画『エイリアン』の関係、そして太古の昔より人類が怖れてきた
「モンスター的なるもの」の真実を探る。
古代の翼竜ケツァルコアトルスと人類の飛行の歴史、
ユニコーンの正体と偏在する一角獣たち。
オウムガイの化石は潜水艦のメカニズムや写真の歴史へとつながり、
深海のカニの生態はロボットや人工知能、果ては生命の起源の考察へと飛躍する。
ひとつの生物を起点に、科学、歴史、言語、思想、芸術と自在に領域を横断する、
センス・オブ・ワンダーに溢れた生物学エッセイ。

【著者】
カスパー・ヘンダーソン/Casper Henderson

オックスフォード在住の作家、ジャーナリスト。
フィナンシャル・タイムズ紙、インディペンデント紙、
ニュー・サイエンティスト誌など寄稿。
本書は2013年の英国王立協会ウィントン科学図書賞、英国生物学会賞、
英国ブックデザイン賞の候補作となった。