共感覚という神秘的な世界

定価 1,800円+税
著者名 モリーン シーバーグ
ページ数 288
判型 A5判
発行年月 2012/06
ISBN 9784767814223

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共感覚という神秘的な世界

内容・概要

文字や数字、音、曜日や月の名前に「色が見える」──

共感覚をもつ世界的な音楽家や芸術家、科学者たちの体験談を交えながら、この不可思議な感覚の謎に迫る!

「作曲モードのときは、あらゆる色のスペクトルを旅する。空色とエメラルドグリーンの入り江ではバラードが生まれ、熱い火の色の国ではロックが生まれる」……ビリー・ジョエル(ミュージシャン)
「数字からは複数の感覚が呼び起される。触感もあれば、動きも色もある。それらによって感情がかき立てられ、言葉も想起される」……ダニエル・タメット(『ぼくには数字が風景に見える』著者)


私の中で「色」が始まったのはいつのことだか覚えていない。自分の心臓の鼓動や呼吸と同じで、生まれたときからいつも一緒だった。そして色とりどりのアルファベットや数字、曜日や月の名前、音楽が私の生活の一部となる。私は、やがて子どもなりに自分の感じたことを口にするようになると、間もなく、自分の感覚が普通ではなく、変わっていると見なされていることに気づく。そして世界中の多くの共感覚者の例にもれず、そのことを自分だけにとどめておくことを覚えた。本書に掲載させていただいた個々の証言のすばらしいところは、能力をもつ本人しか知りえず、語りえない真実だという点だ。彼らの大半が、このことについてこんなに多く語ったのは初めてだという。このように説明しがたい体験をそれぞれが言葉にしてくれたことで、私自身、ずいぶんと勉強になった。かつての迷える少女は、自分の居場所と少なからずの答えを得ることができた……。