日本の名作住宅の間取り図鑑 改訂版

定価 1,600円+税
著者名 大井隆弘
ページ数 160
判型 A5判
発行年月 2019/03
ISBN 9784767825984

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日本の名作住宅の間取り図鑑 改訂版

内容・概要

歴史に名を残す住まいの間取りは
どこがスゴいのか?

地域の気候、材料を生かした江戸期から、近代化された明治期、
和風と西洋化が融合しつつ独自の発展をとげていく大正・昭和期の住宅まで。
日本の住まい発展の歴史が、この1冊で学べます。

江戸期の住宅は屋根の形状の豊富さ、台所(土間)と居室が別棟になる分棟型など、
地域ごとのかたちのバリエーションに注目。気候風土やそこで取れる材料、
そして地域で異なる大工の技術などもみえてきます。

明治期以降は中廊下の発展を紐解くことで、女中などを含めた住人構成や、
生活スタイルがどのように変化したのかについても紹介しています。

大正・昭和期は洋館と和館が融合した現在の住宅の原形がでてきます。
集合住宅や現在のハウスメーカーにつながる規格住宅についても解説します。


著者について
大井隆弘(おおい たかひろ)
1984年東京・立川生まれ、飛騨高山育ち。2006年三重大学工学部建築学科卒業。
2009年東京芸術大学大学院美術研究科建築学専攻博士前期過程修了。
2015年同大学博士後期課程修了。博士(美術)。
2015年~2017年まで同大学美術学部建築科教育研究助手。
2017年~現在、三重大学大学院工学研究科建築学専攻助教。

目次

1章:江戸期の名作住宅
・旧笠石家住宅-十和田湖から下る奥入瀬の民家
・高橋家住宅-黒石藩御用を務めた「米屋」
・旧奈良家住宅-藩主も訪れた豪農の家
・旧工藤家住宅-南部藩領の水田地帯にあった農家
・旧渋谷家住宅-養蚕が営まれた多層民家
・旧滝沢本陣横山家住宅-会津の大庄屋・白虎隊出陣の家
・旧新発田藩足軽長屋-下級武士の生活を伝える長屋
・富沢家住宅-代々名主を務める大型養蚕農家
・旧松下家住宅-城下町の素朴な町家
・旧江向家住宅-五箇山にあった合掌造の家
・真山家住宅-中山道望月宿に残る旅籠屋
・馬場家住宅-藩主も立ち寄る旧武田家家臣縁者の家
・大沢家住宅-小江戸・川越最古の店蔵
・旧作田家住宅-鰯漁で栄えた九十九里の網元の家
・今西家住宅-寺内町・今井最古の町家
・吉村家住宅-大阪・羽曳野を代表する大庄屋
・田中家住宅-吉野川下流域の藍商の家
・熊谷家住宅-萩藩の御用商人の町家
・山口家住宅-水を中央に集める漏斗造の農家
・旧境家住宅-熊本北部の山あいにあったコの字型屋根の農家
・旧黒木家住宅-日向に残る薩摩藩の郷士の家
・二階堂家住宅-大隅に残る薩摩藩の郷士の家
・上江洲家住宅-沖縄・久米島の地頭の家
・旧グラバー住宅-日本の近代化に影響を与えた英国商人の家

2章:明治期の名作住宅
・旧三戸部家住宅-北海道開拓民が暮らした家
・旧中村家住宅-海産物を扱う近江商人の家
・旧青山家住宅-庄内砂丘の鰊御殿
・旧森家住宅-北前船の廻船問屋
・旧篠原家住宅-旧奥州街道沿いに建つ商家
・森鷗外・夏目漱石住宅-『吾輩は猫である』が書かれた家
・松城家住宅-プチャーチンの娘が訪れた家
・吉島家住宅-飛騨高山の豪商の町家
・旧東松家住宅-油問屋の3階建て町家
・上芳我邸-木蝋生産で栄えた内子の町家
・銘苅家住宅-伊是名島の総地頭職の家
・旧林家住宅-岡谷の製糸業を支えた実業家の家
・旧内田家住宅-世界中を飛び回る明治期の外交官の家
・旧中埜家住宅-英国留学で目にしたハーフティンバー
・旧ハッサム住宅-英国人貿易商の家
・旧ハンター住宅-日本の産業発展に貢献・英国人実業家の家
・旧松本家住宅-九州産業界の重鎮が建てた迎賓館兼住宅
・東山手洋風住宅A-東山手の急斜面に並ぶ貸家
・旧リンガー住宅-長崎の発展に寄与した貿易商の家

3章:大正・昭和期の名作住宅
・旧諸戸清六邸(六華苑)-日本一の大地主・その二代目の家
・旧西村家住宅-ライフスタイルの伝道師がつくる楽しき住家
・旧柳下邸-根岸の丘から顔を出す洋館付き住宅
・旧川上貞奴邸-マダム貞奴と電力王の協働生活
・旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)-フランク・ロイド・ライト
・旧小熊邸-ライトらしさ・雪国らしさ
・山手234番館-関東大震災後の外国人向けアパート
・同潤会代官山アパートメント-先端設備の鉄筋コンクリート造の集合住宅
・寺西家阿倍野長屋-戦前の庶民の生活を伝える長屋
・小林古径邸-近代日本画家が暮らす近代数寄屋住宅
・銀座の小住宅-芸者が住むモダニズムの町家
・旧羽室家住宅のミゼットハウス-百貨店で買える子供部屋
・旧原邦造邸-実業家が暮らす御殿山のモダニズム住宅
・旧林芙美子邸-作家と画家が暮らす家
・前川國男邸-コルビュジエの弟子が試みるモダニズム住宅
・栗田邸-日本初の女性建築家・浜口ミホがつくる家
・旧井上房一郎邸-アントニン・レーモンドの自邸の「写し」
・最小限住居-レーモンドの弟子が住む3人家族の家
・私の家-戦後のスター建築家・清家清の家
・No.20-家事労働を中心に据えた家
・公営住宅標準設計51C型-ダイニングキッチン普及の原点
・ヴィラ・クゥクゥ-コルビュジエの弟子がつくる「象さんの家」