世界で一番美しいマンダラ図鑑

定価 1,800円+税
著者名 正木 晃
ページ数 168
判型 B5変
発行年月 2020/09
ISBN 9784767827940

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世界で一番美しいマンダラ図鑑

内容・概要

マンダラとは、最後発の仏教である「密教」が、世界の構造や心の構造に関する真理を、視覚を通して伝えるために開発した図像です。幾何学的な構成と強い対称性が特徴です。
インドで生まれたマンダラはチベットや日本でも盛んに描かれましたが、「密教」とは関係の無い地域にもマンダラに似た図像は存在します。密教が開発した厳密な意味のマンダラを「狭義のマンダラ」と呼ぶなら、それらは「広義のマンダラ」と呼べるでしょう。
広義でとらえたマンダラは、人の瞳も蓮の花も、星の動きにも見て取れます。世界はマンダラで満ちているのです。

本書では日本で独自の進化を遂げた様々なマンダラ、世界と自然界に散らばる美しいマンダラを、色鮮やかな写真とともに解説します。宗教学者の正木晃氏がチベット・ネパールで実際に撮影した、日本では滅多に見られない美しいマンダラ群も大公開します。また、現代日本のアーティストによる新しいマンダラも紹介します。80種近くものマンダラを網羅した、世界にひとつだけの美しい図鑑です。

世界共通言語ならぬ共通図像のマンダラは、眺めているとすっと心が安らぎます。眼から点眼する薬のように、疲弊した心に驚くほど染みわたります。今のこの世の中、マンダラを眺めることが、もしかしたらあなたの心の救いにつながるかもしれません。


【著者について】
正木 晃 (まさき・あきら)
宗教学者。一九五三年、神奈川県小田原市に生まれる。筑波大学大学院博士課程単位取得満期退学。
仏教(密教)をはじめ、伝統的な叡智を再生して現代社会がかかえる難問の解決に貢献することを生涯の課題とみなす。
より具体的には、日本密教・チベット密教を中心に、文献にとどまらず、現地調査を重ねながら、
修行における心身変容、マンダラをはじめとする宗教図像学の研究をこころざす。
また難解な古典文献のわかりやすい現代語訳も重要な仕事とする。
著書に『「空」論―空から読み解く仏教の歴史』・『空海の秘蔵宝鑰』・『現代日本語訳法華経』(春秋社)、
『宗教はなぜ人を殺すのか』(さくら舎)、『マンダラと生きる』・『マンダラとは何か』・『宗像大社―古代祭祀の原風景』(NHK出版)、
『現代語訳理趣経』・『空海と密教美術』・『チベットの「死の修行」』(角川書店)、
『性と呪殺の密教』・『密教』(ちくま学芸文庫)、『現代の修験道』(中央公論新社)などがある。

目次

第1章 日本のマンダラ
逸脱なのか、発展なのか。密教僧の空海が留学先の唐からマンダラを日本に伝えてから、国内で独自の方向に発展しました。多くの寺社のご協力を得て、たくさんの色鮮やかで独創的な日本のマンダラを掲載し、図解しています。

第2章 チベットとブータンのマンダラ
マンダラの中のマンダラ。チベット仏教圏(チベット・ブータン)には、質量ともに超一級のマンダラが残されています。正木晃氏撮影によるマンダラ群を大放出します。この本でしか見ることのできない、とても貴重で夢のように美しいマンダラです。

第3章立体マンダラ・都市マンダラ
仏や神々の集う宮殿。私たちが知っているマンダラは、宮殿を上から見下ろした図像であるとも言えます。人々は神や仏のすみかを立体マンダラとして復元させました。また、「星形要塞」や「福建土楼」など、世界各地には機能的理由からマンダラそっくりの構造をもつ都市や巨大な家屋も実在します。

第4章 世界のマンダラ・新しいマンダラ
世界はマンダラで満ちている。バラ窓やアメリカ先住民の砂絵など、密教とは無関係の宗教や地域に、マンダラによく似た図像があまた見られます。マンダラという図像が普遍性に富むことを証明する章です。現代作家による新しいマンダラも紹介します。

付録 心を癒やすマンダラ塗り絵

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